過日ブログでお知らせしておりました” 学校で学んだ知識を実社会へ生かすために” という実践的学習として、先生と保護者がタッグを組んで始まった「起業家チャレンジ」(詳しくはこちらの記事をお読みください)ですが、1月27日に生徒による事業のプレゼンテーションが行われました。
経済学者でもある中野校長先生も審査員に加わっていただき、下記のとおり優秀者に表彰が行われました。
【最優秀賞】 木村さん(高1)
【金 賞】
・独創性部門 山下さん(高1)
・社会貢献部門 工藤さん(高2)
・企画立案部門 長島さん(高2)
・実現可能性部門 田中さん(高1)
真剣に生徒の発表に耳を傾ける中野校長先生
今回のプレゼンテーションの一部をご紹介します
(今回の課題は「日々捨てられるDNA検査用のブランド米をビジネスにする」です)
このプレゼンは、高校2年生が化学の授業から着想したものです。
参観していらっしゃった化学の先生から、「精米だけじゃなく米ぬかもあったほうがいい」「この作り方は泡立ちが無いから、最近流行の泡せっけんにするには・・・」などのアドバイスも出ていました。
次のプレゼンは、「捨てられるお米で、海外に日本の文化を知ってもらおう!」という内容です。
簡単に概略を説明すると、
・日本のブランド米がいかに美味しいか海外の人に知ってもらうきっかけを作る
・日本でも流行っている、「お取り寄せグルメ」として海外に発送
・その結果、海外での需要を促し、お米の消費量が減って困っている農業の一助を担う
・ただお米だけを売るのではなく、美味しく炊くために「日本の水」も一緒に販売
・「ボルヴィック」や「エビアン」が日本で売れたように、「日本の水」の知名度も上げる
・お米や水にこだわるなら炊飯設備にもこだわってほしいので「土鍋」もオプションで販売
・その他、お米と一緒に食べるとおいしい一品もオプションで販売
・お米だけでなくその周辺市場も加味して、付加価値と顧客単価を上げる
上記により、「日本の食文化の輸出を目指す」という、「お米」という題材から、「食文化としてのジャポニズムを輸出する」という、とても抽象度を上げた発想での素晴らしい内容でした。
↓ 日本食が好まれるエビデンスのプレゼン
↓ 水(軟水)が重要だというエビデンスのプレゼン
上記のプレゼンテーションでは、授業で習った、軟水と硬水という理科の知識、そしてそれが地形的要因で生まれる(日本は急流が多いなど)という地理の知識がしっかり生かされています。
普段の勉強が社会に出たら不要なのでは?と疑問を持つ生徒も少なくないと思いますが、こういった試みによって、学校の授業が社会に出ても生かされることを実感したのではと思います。
今回の「起業家チャレンジ」は神大附属史上初の試みでしたが、今後もこのような「教室で受ける授業」と「実社会」のブリッジングを継続していきます。